~講座に参加してくれたAさんの、忘れられない話~
ちょっと前の話になりますが、
私の終活講座に参加してくれたAさんが、
こんなことを話してくれました。
「スマホに残ってたんです。
母からの、たった10秒の留守電が。」
「元気? たまには顔見せてね〜」
そんな、いつも通りの母の声。
特別な用件があるわけでもない、
ただの“いつものメッセージ”。
だから、すぐにはかけ直さなかった。
「でも今思うんです。
あのとき、ちゃんとかけ直していたら…
母の声を、もう一度聞けたかもしれない。
もっと、いろんな話ができたかもしれない。
でも——
後悔しても、時間は戻らないんですよね。」
元気なうちって、意外と話せない
Aさんはお母さんと仲が悪かったわけじゃない。
むしろよく連絡を取り合っていたし、実家にもたまに顔を出していたそうです。
でも、
「介護のこと、延命治療のこと、財産のこと…。
そういう“もしも”の話は、なんとなく避けちゃってたんですよね」
とポツリ。
わかる、わかります。
「元気なうちに話しておかなきゃ」と思いつつ、
タイミングが難しかったり、話題に出すのがためらわれたり。
でも、だからこそ——
元気なうちにこそ、話しておけたら。
“そのとき”に、心から「話しておいてよかった」と思えるのかもしれません。
話しづらい時は、リストの力を借りよう
そのチェックリスト、このたび出来立て
ホヤホヤの私のホームページで配布しています〜!
これが意外と便利で、
「この項目ってどう思ってる?」とリストを見ながら聞くと、
自然と会話が始まったりします。
重くなりすぎず、でも大事なことをちゃんと聞ける。
そんな“会話のきっかけ”になるんです。
親と話すのが苦手な人、何を聞けばいいかわからない人も、
まずはこのリストから見てみてくださいね。
声は、もう聞けないけど——
Aさんの話を聞いて、私は思いました。
「大切な人の声って、心に深く残るんだな」と。
私たちは、いつも“今”という時間の中にいます。
でも、“今”の中には、話せるうちの“親”がいて、
“聞けるうちの声”があります。
だから、どうかあなたも。
ほんの少し勇気を出して、聞いてみてください。
「ねぇ、お母さん。
もしものとき、どうしたいって思ってる?」
その会話が、きっと未来のあなた自身が
後悔しないための、助けになるはずです。
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